Blog

久保田涼子のブログ。自転車の旅日記もあります。

Home > ブログ > 旧ブログ > 2010年6月

2010年6月のブログ

玉ケ峠越え 

20100601084103.jpg

絶景かな!

お遍路の旅 | 2010.06.01 ( Tuesday ) 08:43 AM

Top of this page

お遍路3日目後半 

20100531140745.jpg

大銀杏からお寺まで、もうすぐだと思いきや、まだまだあった。。

こんな山の中にも集落はある。
緑の間に、人工物の屋根が見えたら落ち着く自分がいる。

とある村で、逆打ちしているバックパッカーのおじいさんと出会った。秋田から来て、三度目のお遍路だという。
道にもたれかかって高知のオカマ話(おじいさんは、「自分の女装をみたくないか?」と問われたらしい(笑))や安宿話に花を咲かせ、流れは「信仰」の話へ。
宗教と信仰を結びつけて頭を悩ます私に、目が覚めるような一言。

「僕は、家の前に生えている大木を見て信仰するというのも立派なひとつのあり方だと思います。それと同じような気持ちでまわっていけばいいんじゃないでしょうか。」

真言宗だから、浄土真宗だから、キリスト教だから、無宗教だから、は関係ない。
宗派を超えたなにかがここにはありそうだ。

山を更に越えて、ついに参道到着。
小雨が降り始めて幻想的な雰囲気。
心が晴れ晴れとしていたせいか、全てが気持ちよかった。

今夜泊まる予定の善根宿、すだち館まで下山。

自分の高慢だった行いを責め、弘法大師を追って四国を何十週もまわり、力尽きる直前に会うことが出来た元豪商の、墓標の杖が立派な木になったという有名な場所が、下山途中にあった。自分の杖を木に立てかけてみる。
太いなー。

山の途中にある里に到着。
すだち館のお父さんお母さんは、ホスピタリティ溢れる人。
手作りの夜ご飯は美味しかったし、けんちゃんという雑種犬もかわいらしい!

関西から来ていた男の子2人と、お父さんお母さん交えて食事。
「ホタルみたことあるか?今夜連れてったるわ。」
お父さんの一言で、食卓がさらに盛り上がる。

夜、車で20分の河辺に。
生まれて初めて沢山ホタルが舞う風景を見た。
この日を、私はきっと忘れないと思う。
絶対忘れないと思う。

お遍路の旅 | 2010.06.01 ( Tuesday ) 04:53 AM

Top of this page

お遍路3日目前半 

20100531110818.jpg

三日目のお遍路は丸一日山籠もり。
「修行」という言葉がぴったりな日で、「信仰」について考える機会を沢山持った日でした。

本日の工程は、11番札所藤井寺横から「遍路ころがし」と呼ばれる山道を通り、標高700mの12番札所焼山寺へ。
歩きお遍路最初の難関と言われる場所です。

・・・その前に、昨日の80才のおじいちゃんのその後。

善意で泊めてくださって、お洗濯もしてくださって、お風呂も沸かしてくださって、本当に本当に感謝しているのですが、いい人なのですが!
「酒癖の悪さ」だけが難点だった!!

久々に、孫みたいな女子が来て、嬉しいのはわかりますよ。
ただ、度が過ぎてバーのお姉ちゃん対応を求めはじめた時は「亡くなったお母さんが見とるんじゃけぇ、やめんさいよ。」と思わず言ってしまいました。

お接待をされすぎも、考えものです。
逆にこちらが気を使うし(相手が純粋な気持ちで行動していると分かるから余計に。)ゆっくりひとりの時間がとれない。早く寝れない。

なにが悪いわけではないのですが、経験として、これから人のお家に呼ばれたときは考えようと思いました。

でも、感謝します。
一生懸命もてなしてくれて、ありがとうおじいちゃん。

※ちなみに、本来泊まる予定だった11番近くの善根宿「鴨の湯」は温泉つきで、お遍路さんは無料。
男女セパレートなので女性にもオススメ。


さて、おじいちゃん家から、11番札所まで戻ったタクシー代が、なかなかの出費。
着いた瞬間、歩いている人に「姉ちゃんズルしたんかー?」と問われ(実際は昨日、歩いて打ち終えていたからズルはしてないぞ。)それらの出来事に不満を抱く自身の小さな心にイライラ。
山への歩きはじめは、マイナスな気持ちからスタートでした。

歩いている間に、この三日間で出会ったひとたちの意味まで考え始めたら止まりません。
「もし、これらの出逢いが必然的なものなら、そこからなにを学べばいいのだろうか。」とか、
「そもそも、中高キリスト教系の学校だった私が、こんな格好をして般若心経を唱えていいのだろうか。」とか、グルグル疑問符がまわります。

その気持ちを見越したかのように、一日目に仲良くなったうどん屋のおかみさんから「今日頑張ってね」メールと電話。
彼女は、四国の歴史を研究されていて、以下のような言葉を下さいました。
「四国は日本のルーツが沢山詰まっている場所。ここから、全国に散らばっていったという話もあるから、ここに来る人たちはみんな、ご先祖さんが「還りたい」思うて呼ばれたんかもわからん。一杯おるよ。『なんでかわからんけど来た』ゆう若者は。宗教は関係あらへん。」


・・・山の中は、一人。
シーズンオフということもあり、同じお遍路さんを見かけたのは登山口付近のみで、あとの七時間は、山の声と、自分の杖の鈴の音と呼吸しか聞こえません。
空海さんが通ったまま残されているという道は、なかなかに険しい。後半戦は特に「まだ登りか。。」と弱音を吐きたくなるくらい。

足下悪くゴツゴツした細い道を、ゼイゼイいいながら登りきり、「着いた?!」と思って顔をあげると、階段の上に大木を背にした弘法大師像が。
この角度からだと、見下ろされている感じ。
「ずるいわ・・・。お大師さん。。」と思わず言葉が漏れました。
苦難の果てに見たそれは、信仰心を自然と沸き立たせるものでした。

と、掃除しているおじさんを発見!
ベンチも発見。
しばらく休もう。

おじさんからハッサクをいただいて、色々話す。
別れ際に「あんたは、自分のために歩いとんやろ?」と、問われる。

「今は、正直よくわからん。誰のためになんのために歩いとんじゃろうね。」と、答える。

山道に戻ると鐘の音が聞こえた。

もうすぐ到着か。
後半に続く。

お遍路の旅 | 2010.06.01 ( Tuesday ) 03:54 AM

Top of this page

Top of this page